大っきい先生

高校を出て地元の理容学校に通った。その途中からやはり地元の理容室に住み込みで入った。いわゆる丁稚奉公。そこは先輩1人と先生、奥さん、そしてもう引退していたが、先生のお父上の大っきい先生がいた。店の忙しさの都合でたまに大っきい先生と僕の2人だけの昼ごはんの時がある。おかずはシャケ。大っきい先生が僕に言った。「俺のシャケのほとんどをやるから、黒岩くんのシャケの腹の塩っぱい所をくれないか?でも奥さんには黙っててくれ!」僕は喜んで交換した。