2025.09.13 10円玉 修行先の店には公衆電話があった。もちろん携帯なんて無い時代、でもお客さんでこの公衆電話を使う人なんていない。夜のレッスンが終わってからまず先輩が彼女にかける用、そのあとが僕の番。10円玉が詰まると先生に鍵で開けてもらい、先輩とその10円玉を半分こする。何年も同じ10円玉がスパイラルするのだ。